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1999 春 |
1999 夏 |
NEW! 1999 秋 |
| 1997年 初春 |
謹んで新春のお喜びを申し上げます。
寒い時に造られるものほどおいしいといわれる日本酒は、今「寒造り」の真っ最中。
かつて一年中醸造されていた酒が、次第に冬に造られるようになったのは、江戸・寛政の頃に度々発令された、酒造米抑制のための減醸令や酒造半減の制度、簡単にいうと、米価安定のために米の端境期の九・十月頃の酒造りを禁止するということからでした。
これと同じくして、冬季仕事のない農漁村の人々が酒造家に集団で労働力を提供するようになり、十一月から翌年三月頃までの寒の時期に醸造することが習慣化して、その時期に造られたものを一年を通して販売するようになったそうです。
「寒造り」は、自然の恩恵ばかりでなく、そんな蔵元の厳冬の状況から発展してきたのです。
厳しい冬の洗礼を受けて、きりりと締まったこの清らかで豊かな飲み物は、人々の人生の節目と深く関わってきました。
この新しい年も、微力ながらその文化の片鱗を触れていきたいと思います。
厳冬の頃を迎え、日本酒の世界は今、まさに「寒造り」の季節です。
酒造りはこの厳しい寒さがあってこそ、といわれますが、今回はこの酒の製造工程をお話したいと思います。
酒造りは、下の図のように大きく7段階にわかれて行われ、工程そのものは昔から変わりませんが、かなりの部分で機械化が進んでいます。
@精米
飯米が90〜92%の精米歩合なのに対し、
普通酒で70〜75%、大吟醸などの特定の銘柄で50%以上削るものもあります。
A洗米
精白した米を洗って糠を落とし、約20時間水に浸します。
かなり厳しい作業で、機械化が比較的進んだ工程です。
B蒸米
高温の蒸気を吹き付けて、蒸米にします。
蒸加減は杜氏の腕のみせどころ。
C麹つくり
蒸米に麹菌を入れて、室温28土前後の室(むろ)で床積みし、温度・湿度を保って繁殖させる工程。
Dもと造り
もと造り、酒母(酵母を培養したもの)造りの過程。
現在では短期間でもとを造る速醸もとが主流となっています。
E仕込み
麹ともとに蒸米、水を加える工程。
麹の酵素が米の澱粉を糖に変え、同時に酒母がアルコール発酵を行うとき。
約15〜20日間かかります。
F圧搾
もろみを搾り、酒と酒粕に分ける工程。
この後、
火入れ、貯蔵・熟成されると一般の清酒、
火入れせずに貯蔵されると生貯蔵酒、
火入れも貯蔵もせずに出荷されるのが生酒 なります。
また、12月から2月頃に出回る新酒はこの時期だけの楽しみ。
搾りたてのまったく熟成されていない新鮮で粗削りな酒です。
以下、これら酒造りの工程の特色を現す名称の代表的なものを紹介します。
生もと仕込み
江戸時代に閑静した生もとを使って醸造する手法。
蒸米、米麹、仕込み水を厳冬期の深夜にすり潰す「山卸し」という非常にきつい作業を伴う。
他の有害菌の繁殖を抑えるために乳酸菌を育て、酵母の繁殖を助長し、濃厚な清酒の醸造に適する。
山廃仕込み
もと造りの山おろし作業を廃しした「山おろし廃止もと」の略。
酒母の育成日数が長く、製造が難しい。
三段仕込み
もとを造るときに加える蒸米を「仕込みの掛け水」というが、酒母にあわせて一度に入れず、確実に醸酵させるために3回に分けて仕込む方法を三段仕込みという。
四段、六段となっていくと甘みの増した酒となる。
培炒造り
通常では原料米を蒸すのに、熱風で瞬間処理した白米で造った酒のこと。
蛋白質が変性し、酒中のアミノ酸、脂質の少ないすっきりした清酒になる。
今飲んでいるお酒は、どのタイプでしょうか?
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