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1999 春 |
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NEW! 1999 秋 |
| 1996年 初冬 |
酒は人と人の距離を縮めてくれる楽しい飲み物です。
日本では特に四季の農耕儀礼と密接な関係を持っていましたが、日本人にとって最も身近で多くの人を養うことのできた作物、それは稲であり米でした。
食べるだけで精一杯だった暮らしに余裕ができ、米は酒の原料となったのです。
そして、余裕は「豊穣」の象徴となって、独自の個性と環境、固有の技術が複雑に絡み合い、それぞれ主張のある酒となりました。
今、日本酒は再びその土地の酒「地酒」として注目を集めていますが、最近では本来の「地米」100%にこだわる酒造りも多く、また、明治、大正期の栽培品種を復活させるなど、果敢な努力が続けられています。
丹精込めた米の一粒一粒が惜しげもなく削られ、小さな真珠になったときから、再び命が吹き込まれ、味わい深く蘇る・・・。
日本に生まれた喜びをかみしめつつ、今宵も一献、お楽しみください。
酒の元は米と水。ゆえに酒蔵の立地は「水」といわれ、豊かでおいしい水は良質の米を育てます。
寒い地方、米どころが日本酒もうまい、というのが通説のように思われますが、酒を造る「酒造米」の産地は、実は西のほうが多いのです。
一般に、食べておいしいお米が酒造りにむく、というわけではありません。
飯米は新潟のコシヒカリがトップといわれていますが、酒米の王者といわれる「山田錦」などは飯用には適さないため、ほとんどが酒造米として契約栽培で、しかもこれらの産地の中心は近畿から西に多くなっています。
現在、国内で約200種もの品種が酒造米として利用されているのですが、とりわけ醸造適性の用件を満たしているものを「酒造好適米」と呼んでいます。
これらは、食糧庁が県単位で銘柄を定め、現在29府県26品種が指定されています。
さて、酒造好適米というのがどのような条件なのかというと、大粒で軟質なタイプで精米しやすい、というのがひとつ。
そして、米の中心におある麹菌の活動を促す「心白(しんぱく)」というデンプンの塊(=酒の元)を発現させる必要があります。
この育成には昼夜の寒暖の差が大きい場所が適していて、山田錦を例にとっても、山間部の段段畑の、機械化のしにくいところでつくられています。
最近では、地域性、風土色を出すために、各蔵元とその土地の農家との契約栽培が盛んに行われるようになり、本来の地酒の姿になりつつあります。
戦前までの「村米(むらまい)制度」といわれたシステムですが、ひいては後継者難で苦労している、農家の保護にもなっているのは喜ばしいことですね。
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