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1999 春 |
1999 夏 |
NEW! 1999 秋 |
| 1996年 初秋 |
日本酒は季節や好みに応じて、温めたり冷やしたりして飲むという、世界でもまれな酒です。
しかも「雪見酒」「花見酒」などという言葉とともに、人々の生活の中で季節を慈しみつつ育まれたものでした。
さて、旧暦では七月を初秋、八月を中秋、九月を晩秋といいますが、「月見の宴」は中秋の満月の時に行うことで広く知られた季節のセレモニーです。
団子と実りの初物と、さらにススキの穂など秋の七草を供え、月を愛でて酒を酌み交わします。 厳しい夏の名残りの中に、見え隠れする秋の気配をおいしい酒とともに楽しむ、まさに日本人の豊かの象徴といえるでしょう。
季節がら、冷たい酒についてを今回のテーマとしました。
この時期、「冷や」の魅力は絶大ですが、しかし残暑最中の「燗」もよし、ゆったりと迷いつつ、季節のうつろいを日本酒とともにお楽しみください。
暑さもまた楽し 「冷や」の魅力
「冷や」といえば一昔前までは「燗」をしない、つまり常温で飲む酒のことでしたが、今では冷酒といえば「冷やした酒」が一般的です。
昔は今のように冷蔵庫などなかったので、井戸水や涼しい蔵の隅などで冷やしていたのでしょうが、現代の冷蔵技術の普及とともに、冷やして飲むと一層風味を増す酒が増えてきました。
味が軽く爽やかな香りがいっぱいにふくらみ、とくに若い世代の人気を集めています。
そのまま「冷や」で、あるいは冷蔵庫で冷やして飲む。
ちょっと変わった飲み方では、グラスに氷を満たし、熱燗の日本酒を一口ほどそそいで瞬時に冷やして飲む「燗」ロック。
クラッシュアイスに日本酒を注ぐ現代風「みぞれ酒」。
冷やすだけでは飽き足らず、日本酒をグラスに入れてラップをかけ冷凍し、時々かき混ぜて作る「日本酒シャーベット」などおいしさいろいろ。
またライムやレモンを浮かべたり、梅干しを一つ落としてみたりと、自由自在に日本の「風流」をお楽しみください。
「生酒あります」
酒屋の店先や日本酒を扱うお店でこう書かれていると、思わず誘われてしまいますね。
「生酒」はその名のとおり香り華やかで、味も若々しく新鮮そのもの、造りたての魅力いっぱいです。
しかしこの生酒、古代ではごく普通の酒でした。
それは技術的に作り置きができず、しばらくすると腐ってしまうからで、とうじはハレの日に集まる神々や人々のために、その日必要な分だけを造っていたからです。
それが室町時代に殺菌貯蔵法「火入れ」が考案され、長期間保存することが可能になりました。
そのため、保存のきかない生酒は近年まではほとんど造られなくなってしまったのです。
そんなわけで、生酒は元来蔵元だけしか味わえない門外不出のもの。
それが技術の進歩により、瓶詰めされ、大切に出荷されるようになり、現代に蘇ることになりました。
さて、生には他に「生貯蔵酒」というものがあるのをご存知かと思います。
どちらもフレッシュなんだな、というのは理解できますが、どこに違いがあるのかおわかりですか?
普通、酒はできてからろ過し、加熱処理(火入れ)して貯蔵され、熟成後製品として瓶詰めするとき再び加熱処理されますが、酒ができてから瓶詰めまで、いっさい加熱処理されていないのが生酒です。
生まれたての日本酒といってもいいものでフレッシュな香りと風味が特徴です。
加熱殺菌されていないので、保管には冷蔵庫で必ず冷蔵して、早めに飲みきってください。
生貯蔵酒は、生酒同様に加熱処理をせず低温に貯蔵され、瓶詰めされるときに一度だけ加熱処理されます。
生酒とは、この瓶詰めのときに加熱処理されるところが違います。
生のまま貯蔵されるのですから、生酒同様、フレッシュな風味、特徴が生かされた酒です。
タイプによって微妙な味わいがあります。
いずれもしぼりたての、えもいわれぬ旨さ。どうぞご堪能ください。
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